生ごみ処理機の処理方式について解説

業務用生ごみ処理機の導入を考えているなら、まずは「処理方式」を決めることが第1のステップです。

業務用生ごみ処理機にはいくつかの方式があります。
それぞれ生ごみをどのように処理するかの方法が異なっており、それによってもたらされるメリット・デメリットもさまざま。
自社に適した機械を選ぶには、方式が持つ特性を知ることが大切です。

ここでは業務用生ごみ処理機の方式・型ごとに、処理方法やメリット・デメリットを紹介しています。

一目でわかる!
自社に適した業務用生ごみ処理機の処理方式

業務用生ごみ処理機の方式にはおもにバイオ式や乾燥式があり、なかでもバイオ式は消滅型と堆肥型の2種類に分かれています。
導入を考えている人はまず「導入目的」を明確にしてから、それぞれの処理方式を見比べてみましょう。
ここでは、目的ごとにおすすめの処理方式や、それらの処理方法・メリット・デメリットなどをまとめています。

とにかく楽に生ごみを処理したいなら

生ごみ処理をとにかく楽にしたいなら、消滅型がおすすめ。
生ごみを大幅に減らすことができ、処理の手間削減に役立ちます。

生ごみ処理を通してエコに貢献したいなら

生ごみ処理をエコ活動の一環として行いたいなら、堆肥型がおすすめ。
生ごみの処理後に生成された残渣を、堆肥として二次利用することができます。

特に衛生面が気になるなら

衛生的に処理をしたいなら、乾燥式がおすすめ。
高温で処理をするため、病原菌や雑菌は不活性化もしくは死滅します。

とにかく楽に生ごみを処理したいなら「消滅型」

処理方法

生ごみを微生物を混ぜ合わせることによって微生物に生ごみを分解させる方法は、一般的に「バイオ式」と呼ばれます。そのなかでも生ごみが水やガス、少量の残渣などに分解され、処理後にほとんど残渣が残らないタイプのものは「消滅型」に分類されます。

メリット

消滅型の大きなメリットは、生ごみ処理が楽であるということです。
消滅型は他方式と比べ大幅に生ごみを減らすことが可能で、残渣をほぼ排出しません。このため残渣物の処理が要らない・日々のお手入れが簡単といった利点があります。
1日に多くの量の生ごみが廃棄される施設の場合、減容率が低い機械を使うと、その分残渣もたくさん出てしまい、その処理に困るといったこともあるそう。
消滅型は生ごみを投入したらおおかたを分解処理してくれる機械なので、余計な手間やコストをカットすることができます。

デメリット

機種により、微生物の生育環境を整えるための定期的な手入れが必要な場合があります。

生ごみ処理を通してエコに貢献したいなら「堆肥型」

処理方法

堆肥型は消費型と同じバイオ式で、微生物を使って生ごみを分解しますが、処理後には消滅型よりも多くの残渣が排出されます。この残渣はそのままもしくは発酵などの手間を加えたうえで、堆肥として二次利用することが可能です。

メリット

堆肥型のメリットは、生ごみを堆肥としてリサイクルすることができる点です。機種にもよりますが、生ごみから生成される堆肥は栄養価が高いと言われているそう。
特に農場や畑などで堆肥型を利用すれば、廃棄物として処理していた生ごみを、生ごみ処理機を通すことで作物の成長に役立てることも可能です。また、ごみの廃棄量を減らしながら排出されたものは再利用することで、エコ活動への貢献にもなります。
ホテルや農場など、生ごみ処理を通してエコ活動をしたい・生ごみを役立てたいという施設におすすめです。

デメリット

ただ、一概に「生ごみを処理機に投入すれば堆肥になる」とは言えない点には注意が必要です。機種によっては、生成された残渣物を堆肥として利用するために発酵などの二次処理が必要な場合があるのです。
また日常的に堆肥を利用することのない施設の場合、できた堆肥を持て余してしまい、結局可燃ごみとして廃棄して余計にコスト・手間がかかった…なんてことも。
堆肥型の導入を検討するときは、その機種は残渣処理にどれくらいの手間がかかるのか、そして堆肥の使い道もしくは引き取り手がいるかをセットで考えましょう。

特に衛生面が気になるなら「乾燥式」

処理方法

乾燥式では、生ごみに熱や温風などを当てて水分を蒸発させます。
生ごみを乾燥させることによって全体のカサを減らすという仕組みの処理方式です。

メリット

乾燥式では生ごみを乾燥させるために高温で処理をします。このため雑菌や病原菌を不活性化もしくは死滅させることができるというメリットがあります。
病院や介護ホームなど、特に衛生環境を整えたい施設におすすめの処理方式です。

デメリット

乾燥式ではバイオ式と比べて残渣が多く排出されます。この残渣物の処理に手間がかかるというのがデメリットのひとつです。
また処理中、熱を当て続けるために、消費電力や燃料代がかさんでしまう場合もあります。
生ごみ処理機は長期間利用することを見越して導入する機械です。日々の運用上の手間やランニングコストがかかるというデメリットもしっかりと考えたうえで、導入を検討しましょう。

処理方式別
業務用生ごみ処理機 機種一覧

消滅型の機種

生ごみを99.9%分解・処理の手間を大幅カット!

コンパクトなボディが魅力。最新テクノロジーで臭いを抑えて分解

タッチパネルで操作らくらく。ゴミ箱感覚で簡単に処理

生ごみを砕いて異物を除去して分解処理。サイズは豊富な11種類展開

動物の骨や油脂も分解可能なのがメリット。パネル1つで簡単操作

微生物の健康を徹底管理し、効率的な分解処理と悪臭防止を可能に

100種類ものバイオ菌を使い生ごみを分解。バイオ菌は自然由来で安心

生ごみを水に分解。残渣ほぼゼロで処理もらくらく

微生物の働きを活用した食品資材リサイクル機器。土壌由来の有機物分解用バイオ資材で環境に配慮した生ごみ処理が可能

生ごみを二酸化炭素と水、少量の残渣に分解。水分は蒸発するため、排水が不要です。

微生物の働きで生ゴミを分解・消滅。様々な施設での導入実績があります。

残渣を残さず、生ごみを処理します。衛生的な環境配慮型製品です。

生ゴミをH20とCO2に分解する全自動運転の生ごみ処理機です。

生ごみを水と炭酸ガスに分解。分解処理はわずか1時間で、さらに5~24時間で完全に消滅します

生ごみを水蒸気と炭酸ガス、窒素等に分解します。残渣や排水が出ないため、低コストでの生ごみ処理ができます。

生ごみを排水可能な水溶液に分解します。残留物を気にする必要がなく、処理がとても楽です。また省スペース・静音でさまざまな場所に導入しやすいのが特徴です。

生ゴミ消滅型(バイオ式)液化分解型で生ごみを液肥として使用できるエコデリーター。生ごみを入れるだけの簡単操作で利用可能です。

堆肥型の機種

東北大学と共同開発した「アシドロコンポスト分解方式」で生ごみを良質な堆肥に

バイオ式と乾燥式、それぞれのメリットを組み合わせた処理方式で生ごみを約85%減容

おがくずと自然由来の菌を使用して、生ごみを大幅に分解

独自の「4槽式」構造で生ごみをしっかり発酵・分解。「完熟堆肥」を生成可能に

通気性が良いのが魅力。効率よく生ごみを分解

特殊培養して開発されたバイオ資材を使用し、最大90%ごみを減容

複数の装置で大量のごみの処理を可能に。最少5トンから処理が可能

生ごみが出る頻度に合わせて2種類から選択可能。投入した生ごみは5分の1に

生ごみを無害な気体と水分、残渣に分解。約97%減容可能

バイオの力で生ごみをドロドロに分解して排水として放出する点が特徴です。

ヌーボー菌の働きにより、生ごみをミネラル豊富な堆肥とする業務用生ごみ処理機です。約80%にまで減容します。

株式会社エコフィールドが販売している、バイオ式生ごみ処理機です。気になる臭いを抑えて処理し、使用場所に合わせたサイズ展開を行っています。

生ごみを24時間で堆肥化します。コスト負担が少なく、スマートでコンパクトな設計だからどこにでも設置しやすいのが特徴です。

乾燥式の機種

投入する生ごみの種類に合わせて選べる3つの処理モードを搭載

できた残渣は自動で排出。機械はシンプルな構造でメンテナンスらくらく

おがくずと自然由来の菌を使用し、生ごみを大幅に分解

1㎡足らずの場所に設置可能、ランニングコストが低く経済的。気になる臭いも大幅に削減

食材をその場で投入し、排水のみの状態まで分解。遠隔監視による稼働サポートで廃棄にかかる手間と食材廃棄のコストを削減

導入後のミスマッチをなくす!実績が豊富なメーカーの
おすすめ業務用生ごみ処理機3選

消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」

生ごみを99.9%減容
処理の手間を大幅カット!
生ごみ減容率 99.9%
生ごみの処理後の形態 水と炭酸ガスに分解
メンテナンス頻度 特殊なメンテナンス必要なし
メンテナンス内容
販売年数 25年(1997年~)

堆肥型「バイオクリーン」

生ごみを使って
リサイクル
良質な堆肥を
つくれる
生ごみ減容率 記載なし
生ごみの処理後の形態 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解
残りの一部が堆肥になる
メンテナンス頻度 定期点検あり・要問合せ
メンテナンス内容 要問合せ
販売年数 17年(2004年~)

乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」

3種類のモードで効率的に処理
高温殺菌で衛生的
生ごみ減容率 記載なし
生ごみの処理後の形態 処理品
メンテナンス頻度 訪問定期点検・年1回
メンテナンス内容 要問合せ
販売年数 記載なし

Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。

※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。