事業で発生する生ゴミを処理する方法は、業者に依頼するまたは自社で処理する方法の2通りがあります。こちらの記事では、どの方法を選択したら良いのか迷っている方に向け、それぞれの方法について紹介しています。コスト面などの試算も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
事業を営む中で発生する生ゴミを処理する際の方法は、「業務用生ゴミリサイクル業者に依頼する」または「業務用生ゴミ処理機を使用して自社で処理する」という2通りの方法があります。
リサイクル業者に処理を依頼した場合、その生ゴミは「堆肥化するもの」と「飼料化するもの」に分けられて処理が行われますが、こちらの方法を選択した場合は業者に生ゴミを持って行ってもらうだけで良いため手間がかからない点がメリットです。しかし、業者に依頼する場合には費用がかかることから、コスト面で割高になる点がデメリットといえるでしょう。
また、業務用生ゴミ処理機を導入するという方法もあります。自社で処理する場合には、生ゴミが発生する場所にて処理する方法と、処理センターのようなものを用意して処理する方法に分けられるでしょう。これは自社の状況や生ゴミが発生する場所、生ゴミの量によってどちらが適しているかが分かれてきます。
このように事業で発生する生ゴミの処理方法に関しては、生ごみの発生量やコスト面などを考慮しながら、自社に合った方法を選択することになるでしょう。
生ゴミが多く排出されるような事業を行っている場合には、リサイクル業者に依頼する場合と、業務用生ゴミ処理機を導入した場合のどちらがコストがかからないのかといった点が気になるでしょう。
さまざまな業務用生ゴミ処理機があることなどからコストの比較を行うのは難しい部分もありますが、コストを比較した一例として、生ごみ排出量が1日あたり500kgと仮定した場合には、生ゴミ処理機を導入することによって「21.8%」のコストカットが可能であるという試算もあります(※)。
この試算の場合、リサイクル業者に依頼した場合の年間コストは456万円、生ゴミ処理機を使用した場合の年間コストは357万円といった試算結果が示されています。ただしこちらの試算では、1日に排出される生ゴミの量が400〜500kgを超えた場合には生ゴミ処理機を導入した方がコスト的にメリットがあるという結果が示されています。
ただし、こちらはあくまでもシミュレーションの一例となりますので、実際に導入する際には排出される生ゴミの量やどのような生ゴミ処理機の導入を想定しているのかといった点によりコストが変わってきます。そのため、あらかじめ試算をしながら、自社にとってはどちらの方法がメリットがあるのかを確認する必要があるといえるでしょう。
※参照:e食品循環(http://www.syokuhin-junkan.com/introduction/introduction03.html)
業務用生ゴミ処理機にはいくつか種類がありますが、一般的には「乾燥式生ゴミ処理機」「炭化式生ゴミ処理機」「バイオ式生ゴミ処理機」の3種類が普及しています。そこで、ここではそれぞれの方式について見ていくことにしましょう。
乾燥式生ゴミ処理機は、熱源や温風を使用して生ゴミに含まれる水分を蒸発させて処理するものです。生ゴミを乾燥させた後に攪拌・破砕することで、ゴミの量を減らすとともに衛生的にもメリットがあります。そのほか、機械的に蒸発を行う仕組みになっていることから、微生物の生育環境を整える必要がない点もメリットといえるでしょう。
ただし、ゴミを処理している間は熱源を用意し続ける必要があり、消費電力や燃料費が高くなるといった点はデメリットといえます。この点からエネルギーコストも高くなるため、環境にやさしいとは言い切れないという意見もあります。
炭化式の生ごみ処理機は、乾燥式の処理機よりもさらに高温の状態を作り出します。例えば電熱や温風、マイクロ波などを活用して高温状態とし、生ゴミを炭化させる方式です。
乾燥式と同様に生ゴミの量を減らせる点に加えて、ゴミが炭化して出来上がった炭は、燃料や土壌改良剤として用いることも可能であるというメリットがあります。また、乾燥式生ゴミ処理機を使用した場合よりもゴミを減量できる点も特徴のひとつといえます。
ただし、炭化式生ゴミ処理機と同じように、消費電力や燃料費が高くなり、エネルギーコストが上がってしまうといった点はデメリットといえます。
バイオ式生ゴミ処理機は、微生物の力を利用した処理機です。生ゴミなどの有機物を微生物が酸化分解し、最終的には炭水化物と水の状態まで分解します。
このように分解されていく過程の中で、ゴミを減量できるとともに悪臭を減らせるといった点がメリットです。また、乾燥式や炭化式の生ゴミ処理機と比較するとエネルギーを節約した形で処理を行えるという面もあります。
ただし、バイオ式生ゴミ処理機の場合には価格が高い傾向があるとともに、サイズも大きいといった点がデメリットとなる可能性もあります。
消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」
生ごみ減容率 | 99.9% |
生ごみの処理後の形態 | 水と炭酸ガスに分解 |
メンテナンス頻度 | 特殊なメンテナンス必要なし |
メンテナンス内容 | ー |
販売年数 | 25年(1997年~) |
堆肥型「バイオクリーン」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解 残りの一部が堆肥になる |
メンテナンス頻度 | 定期点検あり・要問合せ |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 17年(2004年~) |
乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 処理品 |
メンテナンス頻度 | 訪問定期点検・年1回 |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 記載なし |
Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。
※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。