食品の関連事業者は、法律により生ゴミのリサイクルを義務づけらられています。方法は主に自社で処理する、リサイクル業者に依頼するの2つです。
自社での処理は生ごみ処理機を導入することにより、効率的かつ、低コストでおこなえますが、処理後の堆肥(生成物・残渣)をどのように扱えばよいのか、迷う場合もあるでしょう。そこで、本記事では「生ごみ処理後の堆肥」についての活用方法や問題点などを解説していきます。
業務用の生ゴミ処理機によって生ゴミを処理すると、平均で10%程度の重量にすることが可能です。つまり100kgの生ゴミを処理すると、10kg程度の生成物(残渣)が出てくることになります。この生成物を堆肥にする場合、どのような活用が可能なのかを考えてみましょう。
まずは、自社で活用できないかを考えてみましょう。敷地内に花壇や植栽、畑などがあれば、取り入れやすくなります。管理を外部業者に委託している場合もあると思いますが、そのような場合でも委託業者と話し合って積極的に活用できないか確認してみましょう。
自社で消費できない場合には、堆肥の販売経路を確保するという方法も考えられます。ただ、この場合、後述するように堆肥に含まれる成分が問題になります。どのような成分が含まれているかが明らかにならない場合、引き取ってくれる農業者はほぼいないと考えられます。どうしても流通させたい場合には、農業試験場などで成分分析をしてもらい、成分を明らかにしてください。
生成物(残渣)の活用が難しい場合には、視点を変えて生成物(残渣)をなるべく出さないようにすることも考えましょう。「消滅型」の機種であれば条件が揃った場合98%以上の減容が可能になる製品もあります。
前述のように、肥料を流通させる場合にはその成分を明らかにする必要があります。肥料は肥料取締法という法律で普通肥料、特殊肥料に分けられており、その成分が定められています。普通肥料は成分が安定していて高濃度(窒素、リン酸、加里が 10 数%以上含有)です。規格に沿った成分であることが求められるため、生ごみが普通肥料の原料として用いられることはありません。
一方で特殊肥料には規格はありませんので、含有成分を明らかにすれば、生ごみを処理した残渣が特殊肥料の原料となりえます。ただし、生ゴミはその都度処理をするものが違うため、成分が安定しないという問題があります。
堆肥の需要ピークは春と秋になります。しかし、生ゴミを処理した堆肥は毎日出てきますので、季節ごとに需要と供給のバランスが異なり、保管のコストが掛かってしまうという問題が出ています。
堆肥の価格は5~10円/㎏程度と言われており、非常に安価なものです。そのため、広域な流通にはコストがかかりすぎてしまう問題点があります。なるべく近隣の地域内で消費することでコストを抑えることが必要です。
生ゴミ処理後の残渣を堆肥として流通させることは、リサイクルという面から非常に有効なシステムですが、需要と供給のバランスをうまく確立しないと、肥料が余ってしまうことになり、結局は廃棄することになりかねません。近隣地域内で消費できるのかといったシミュレーションしておくことが大切と言えるでしょう。こちらのサイトでは残渣のタイプが選べるおすすめの業務用生ごみ処理機を紹介していますので、参考にしてみてください。
消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」
生ごみ減容率 | 99.9% |
生ごみの処理後の形態 | 水と炭酸ガスに分解 |
メンテナンス頻度 | 特殊なメンテナンス必要なし |
メンテナンス内容 | ー |
販売年数 | 25年(1997年~) |
堆肥型「バイオクリーン」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解 残りの一部が堆肥になる |
メンテナンス頻度 | 定期点検あり・要問合せ |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 17年(2004年~) |
乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 処理品 |
メンテナンス頻度 | 訪問定期点検・年1回 |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 記載なし |
Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。
※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。