飲食店やホテルなど料理を提供する施設では毎日大量の生ごみが発生します。生ごみは重量や体積が大きく、放置すると悪臭や害虫の原因となるなど、適切な処理が欠かせません。この記事では、生ごみの減量化・削減に効果的な対策について解説しています。生ごみの減量化・削減や処理に悩んでいる方は参考にしてください。
生ごみは燃やせるごみの中で約35%もの重量を占めており、その80%は水分と言われています。よって、生ごみの減量化に最も効果的なのが、水分を除去することです。
水分を除去すれば、生ごみの重量や体積を大幅に減らすことが可能です。生ごみの水分除去は減量化に効果がある他、悪臭をおさえるのにも役立ち、害虫の発生を予防できます。次の項ではごみの減量化ポイントについて紹介します。
生ごみの減量化では、「濡らさない」「絞る」「乾燥させる」の3点が重要です。それぞれについて、詳しく説明します。
水分の少ない野菜の皮やヘタなどの生ごみは、水分の多い生ごみとは別にして水に濡らさないようにしましょう。水分の少ない生ごみと水分の多い生ごみを分別するだけでも、減量化に大きな効果があります。水分の少ない生ごみ用のごみ入れを用意すると、簡単に分別できます。
茶がらやティーバッグ、コーヒーかすは水分を多く含んでいます。これらは水気を絞り、乾かしてから捨てると体積・重量ともに削減できます。また、排水溝のゴミ受けにたまる生ごみも、水切りネットなどを利用してしっかり水気を絞ることで減量化が可能です。
茶がらやティーバッグ、コーヒーかすは1日乾燥させると水分がほとんどなくなり大きく減量化できます。また、キャベツの外葉などの濡れていない野菜くず、雑草や木の枝、枯れてしまった花などは袋に入れて、口を閉じずに2日以上乾燥させると、かなり重量を減らすことができます。
生ごみの減量化・削減に効果的な対策の一つとして、生ごみ処理機の導入があります。生ごみ処理機とは、生ごみを微生物などで分解、もしくは熱で乾燥させ、においを抑え、無害化・減量化する機械です。ここでは、生ごみ処理機を導入するタイプ別のメリットを紹介します。
消滅型は、生ごみを微生物によって分解し、水とガス、少量の残渣に変えるタイプです。生ごみを90%以上減容できる機種もあります。残渣はほとんど出ないため、廃棄物の処理に手間やコストがかかりません。また、悪臭や害虫の発生も抑えられます。
消滅型のメリットは、生ごみ処理が楽であることです。デメリットは、微生物の生育環境を整えるための定期的な手入れが必要な場合もあることです。
堆肥型は、消滅型と同じく生ごみを微生物によって分解するタイプですが、処理後には残渣が多く出ます。この残渣を堆肥として利用することで、生ごみの量を大幅に減容できます。
堆肥型のメリットは、生ごみを堆肥としてリサイクルできることです。生ごみを大幅に減容できるだけでなく、農業や園芸などで堆肥を使うことで、環境や社会に貢献できます。デメリットは、残渣の処理や利用に手間がかかること、投入できる生ごみに制限があることです。
また、残渣は定期的に取り出したり、発酵させたりする必要があります。残渣を堆肥として使用できる場合はいいのですが、利用先がないと持て余してしまうこともあります。
乾燥型は、生ごみに熱や熱風を当てて水分を蒸発させるタイプです。高温で処理するため、雑菌や病原菌を不活性化もしくは死滅させることができます。
乾燥型のメリットは、衛生的に処理できることです。特に医療や介護などで衛生面が重要な施設に向いています。デメリットは、残渣が多く出ることです。残渣は燃料や堆肥として利用できる場合もありますが、基本的には廃棄物として処分しなければなりません。また、熱や熱風を当て続けるため、光熱費がかさんでしまうという難点もあります。
生ごみ処理機の導入は、生ごみの減量化・削減に効果的な対策の一つです。生ごみ処理機には、「消滅型」「堆肥型」「乾燥型」の3タイプがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。生ごみ処理機を導入する際は、それぞれの特徴を理解して選ぶことで、自社に合った生ごみ処理と減量化・削減が実現できます。
消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」
生ごみ減容率 | 99.9% |
生ごみの処理後の形態 | 水と炭酸ガスに分解 |
メンテナンス頻度 | 特殊なメンテナンス必要なし |
メンテナンス内容 | ー |
販売年数 | 25年(1997年~) |
堆肥型「バイオクリーン」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解 残りの一部が堆肥になる |
メンテナンス頻度 | 定期点検あり・要問合せ |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 17年(2004年~) |
乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 処理品 |
メンテナンス頻度 | 訪問定期点検・年1回 |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 記載なし |
Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。
※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。