生ごみは廃棄物として不要なものと思われがちですが、実は再利用可能な資源「バイオマス」として利用することができ、温室効果ガスの削減も期待できると近年注目されています。ここでは、バイオマスとは何か、バイオマスの中でも「生ごみ」にあたる廃棄物系バイオマスの種類や利用用途、バイオマスを利用するメリットについて解説します。
バイオマスとは、動植物由来の再利用可能な有機性の資源のことで、石油などの化石資源は含まれません。主に木材、海草、生ごみ、紙、動物の死骸やふん尿、プランクトンなどがこれに該当します。バイオマスは化石燃料とは異なり、生物が太陽エネルギーを使って、水と二酸化炭素から生成する持続的に再生が可能な資源です。バイオマスは、主に「廃棄物系バイオマス」「未利用バイオマス」「資源作物」に分けられ、このうち生ごみ等の食品廃棄物は「廃棄物系バイオマス」に分類されます。
廃棄物系バイオマスには、生ごみや動植物残さなどの食品廃棄物、家畜のふん尿、下水処理などで発生する下水汚泥、農業残さ、建設発生木材等の木質系廃棄物の5種類があります。利用用途はそれぞれの種類によって異なり、特に生ごみでは、飼料化、堆肥化、メタンガス化、エタノール化、固形燃料化が挙げられます。
生ごみ等食品廃棄物 | 種類 | 利用用途 |
飼料化 | 飼料原料 | 家畜飼料 |
堆肥化 | 堆肥 | 農地等土壌改良 |
バイオガス化 | メタン | 発電・熱利用 |
エタノール化 | エタノール | ガソリン自動車用燃料 |
固形燃料化 | バイオディーゼル | ディーゼル自動車用燃料 |
バイオマスは、化石燃料でなく動植物から生まれた資源であるため、温室効果ガスの排出量が削減され、地球温暖化の防止に役立ちます。また、バイオマスによるエネルギーは、太陽光発電や風力発電のエネルギーなどとは異なり、資源があれば気候条件に関わらず安定的に発電できるため、再生可能エネルギーとして安定した発電が可能となります。
バイオマスは木くずや生ごみなど、通常は廃棄されるものを資源として利用しています。本来は廃棄物となるものをエネルギー源として活用することで、有効活用できるだけでなく、ごみの廃棄にかかる費用を削減することができます。また、ごみを活用することでごみの廃棄量を抑えることができるなど、地球環境を改善することにも役立ちます。
木材からなる木質バイオマスは、森林整備の際に発生する間伐材や、製造工場などから発生する樹皮やのこくず、住宅の解体材、街路樹の剪定枝などが資源になります。これらの資源を建築および製材時に使用したり、燃料として再利用することで樹木の伐採量が減るため、限りある天然資源の採取を可能な限り減らし、効率よく利用することで廃棄されるものを最小限に抑え、資源を持続可能な形で循環させながら利用する循環型社会を構築することができます。
森林に木が増えすぎると、日光が地表に届かず、木々の成長を妨げてしまいます。間伐や伐期を迎えた樹木を伐採するなどの適切な森林整備が必要です。間伐などを行うことにより、森林の木々の間に隙間が空き、日光が行き届くようになるので、森林が健全な状態になります。
この間伐などにより発生した木材は、木質系廃棄物、すなわちバイオマスとして再利用されます。林野庁においても、間伐により発生した木材を燃料として活用することを計画しており、間伐材を作ることは森林整備を適切に行うことに間接的に役立っています。
バイオマスは、木質バイオマス以外にも家畜排せつ物や稲ワラ、林地残材など国内の農産漁村に存在する生物資源を利用するため、地域の経済的貢献や活性化にもつながります。たとえば宮城県では、鶏の糞を燃料とするバイオマスボイラーを導入し、温風暖房を配置することにより、ガスを利用する暖房費の削減に成功しています。バイオマスを活用することにより、農林漁業者の収入が増加したり、生産および製造にかかるコストを削減でき、地域の活性化につながります。
消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」
生ごみ減容率 | 99.9% |
生ごみの処理後の形態 | 水と炭酸ガスに分解 |
メンテナンス頻度 | 特殊なメンテナンス必要なし |
メンテナンス内容 | ー |
販売年数 | 25年(1997年~) |
堆肥型「バイオクリーン」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解 残りの一部が堆肥になる |
メンテナンス頻度 | 定期点検あり・要問合せ |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 17年(2004年~) |
乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 処理品 |
メンテナンス頻度 | 訪問定期点検・年1回 |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 記載なし |
Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。
※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。