こちらの記事では、業務用生ごみ処理機について解説しています。どのような種類があるのか、また導入のメリット・デメリットなどをまとめていますので、導入検討の際にぜひ参考にしてみてください。
「業務用生ごみ処理機」は、例えばスーパーや食品を製造している施設から出る生ごみを処理し、量を削減することを目的としている機械です。
近年、食品廃棄物の排出量が課題となっていることから業務用生ごみ処理機が注目されています。ちなみに令和4年度の事業系食品廃棄物等は1,525万トン、うち可食部が236万トン(※)となっています。通常生ごみは焼却施設で処分されることになりますが、焼却にあたりCO2の発生など環境面への課題があります。
さらに、事業者にとっては生ごみを処理する場合にはコストがかかってくるという問題も出てきます。工場から排出されるゴミは事業系廃棄物として処理しなければならないため、回収コストが発生します。
このような面から、業務系生ごみ処理機が注目されています。導入によってその場で処理でき、生ごみの量を減らせることから回収コストも削減できます。さらに、焼却時のCO2発生も抑えられるために環境へ配慮できるといった面も注目しておきたいポイントといえるでしょう。
※参照:農林水産省|食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_4-108.pdf)
業務用生ごみ処理機にはさまざまな種類があります。ここでは「バイオ式」「乾燥方式」「炭化方式」の3つの種類について紹介していきます。
バイオ式とは、微生物が生ごみを分解するタイプの処理機です。このバイオ式には「堆肥型」と「消滅型」があります。
「堆肥型」の生ごみ処理機の場合、微生物が分解した生ゴミを堆肥としてリサイクルします。このタイプのものは「コンポスト」と呼ばれることもあります。
「消滅型」は、微生物により生ごみを水やガスに分解するタイプです。そのため、生ごみを処理した後の残渣がほとんど残らないために生ごみの量を減らせます。
熱や温風を生ごみに当てて水分を蒸発させ、生ごみの量を減らす仕組みが「乾燥方式」です。この方式の場合、熱を加えることによって病原菌や雑菌を死滅させられる点がメリットです。ただし、バイオ式と比較すると残渣が多く残るため、後処理に手間がかかるといった面もあります。
生ごみを高温で熱分解して処理するものを「炭化方式」といいます。こちらの方式の場合、乾燥方式と比較すると廃棄物の量を減らせる点に加え、炭を燃料として使用できます。
業務用生ごみ処理機を導入した場合、下記のようなメリットがあります。
回収日まで生ごみを溜めておいた場合、においなど衛生環境の問題も出てきます。しかし、生ごみ処理機を導入すればその場ですぐに処理可能となり、衛生面の向上に繋げられます。
また、食品製造の工場やスーパー、給食を作る施設などでは、生ごみを処理するためにコストが必要となります。そのような場合、生ごみ処理機を導入すると廃棄量を抑えられ、結果としてコスト削減に繋げられます。さらに、ごみの量を減らすことは環境保全への貢献につながります。企業としてはぜひ取り組みたい部分といえるでしょう。
そして業務用生ごみ処理機を導入する際のデメリットとしては、導入費用が発生する点が挙げられます。しかし、自治体によって助成金が利用できる場合もあります。導入にあたっては助成金の利用が可能かどうかをあらかじめ確認しておくことがおすすめです。
業務用生ごみ処理機の価格はそれぞれのメーカーにより異なります。また同じメーカーでも機種によっても、例えば「100万〜500万円(※)」といったように非常に幅が出てきます。メーカーによっては価格を「要問合せ」としているところも多いため、まずは問い合わせをして見積もりを取るところから始めると良いでしょう。
参照元:※イプロスモノづくり(https://www.ipros.jp/product/detail/2000153823/f)
業務用生ごみ処理機を導入することにより、SDGsに貢献できる面もあります。これは、処理機の活用により生ごみの排出量を大幅に削減できるためです。
SDGsの項目12「つくる責任、つかう責任」のひとつとして「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失等の生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」という内容が記載されています(※)。
業務用生ごみ処理機を導入することによって廃棄量を削減できれば、上記の目標達成に貢献できるといえます。
※出典:外務省|JAPAN SDGs Action Platform(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/goal12.html)
こちらのページでは、業務用生ごみ処理機について紹介してきました。業務用生ごみ処理機を導入することにより、食品工場などから排出される生ごみの処理コストの削減や環境対策に役立てられます。
上記でご紹介したように、業務用生ごみ処理機にはさまざまな種類があります。それぞれに特徴がありますので、導入を検討する場合にはどのタイプのものがニーズに合っているかを確認しながら比較すると良いでしょう。
消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」
生ごみ減容率 | 99.9% |
生ごみの処理後の形態 | 水と炭酸ガスに分解 |
メンテナンス頻度 | 特殊なメンテナンス必要なし |
メンテナンス内容 | ー |
販売年数 | 25年(1997年~) |
堆肥型「バイオクリーン」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解 残りの一部が堆肥になる |
メンテナンス頻度 | 定期点検あり・要問合せ |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 17年(2004年~) |
乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」
生ごみ減容率 | 記載なし |
生ごみの処理後の形態 | 処理品 |
メンテナンス頻度 | 訪問定期点検・年1回 |
メンテナンス内容 | 要問合せ |
販売年数 | 記載なし |
Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。
※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。