産業廃棄物の回収と処分場への運搬を担う産廃業者にとって、軽油をはじめとする燃料費は大きなコストを占める要素です。しかし近年は、原油価格の上昇や円安の影響から燃料費が高止まり。加えて、ドライバー不足による人件費の上昇も深刻化しています。
こうした相次ぐコスト増は、もはや業者側の企業努力で吸収できる水準ではありません。結果、処理料金の値上げという形で排出企業側にも、値上げという形での負担増が強いられています。
廃棄物の最終的な行き先である埋立処分場は、新たな用地確保が非常に難しく、残余容量が年々減少しています。
環境省の推計では、全国平均で約7.2年、首都圏では約3.4年分の残余年数しかないとデータもあります。処分場のひっ迫に伴い、持ち込まれるごみの処理単価自体が年々上昇している状況です。
※参照元:GATE株式会社公式サイト(https://www.gate-g.jp/column/18769/)
産廃処理料金の値上げの背景には、エネルギーコストや人件費の上昇、処分場の残余容量の減少など、いずれも産廃業者側だけでは解決できない構造的な要因があります。物価上昇のトレンドや環境規制の強化が続く限り、産廃費用の値上げは一過性のものではなく、今後も継続する可能性が高いでしょう。
だからこそ、さらなる値上げが重なる前に、飲食店側でできる対策を早めに検討しておくことが重要です。
値上げ通知を受け取った際、多くの事業者がそのまま受け入れてしまいがちですが、受け入れ前に、まずは現在の契約内容を改めて見直すことが重要です。
具体的には、収集頻度や廃棄物の品目ごとの単価を整理してみましょう。そのうえで、不要な回収項目の削減や回収頻度の調整を提案すれば、値上げ幅を抑えるための交渉余地が生まれます。
長年同じ業者だけに依頼し続けている場合、提示されている料金が市場相場から乖離しているおそれもある点に注意しましょう。
市場相場との乖離を是正する有効な方法は、複数の産廃業者から相見積もりを取ること。客観的に他社の料金と比較すれば、現在の契約が適正かどうかを客観的に判断することができます。仮に乗り換えを想定していなかったとしても、相見積もりの結果は強力な価格交渉の材料になるでしょう。
なお、新たな業者を選定する際は、トラブルを防ぐためにも許可証の有無など適正処理の観点もあわせて確認しておくことが大切です。
さまざまな廃棄物が混在した状態で排出すると、処理業者に対して分別や処分の手間を増やすことになるため、処理単価が高くなることがあります。このコストを抑えるには、段ボールやペットボトル、缶などの資源ごみを産業廃棄物から切り分け、それぞれ適切なリサイクルルートに乗せることが効果的。徹底した分別には初期の手間こそかかるものの、産廃として処理する総量を直接減らせることにもつながるため、効果的な費用削減につながります。
食材の仕入れ量の見直しや使い切れていないメニュー構成の再検討も、廃棄される食品の量そのものを抑える有効な手段です。たとえば、売れ筋に絞ったメニュー構成へ変更したり、食材を余すことなく使い切る献立を設計したりする取り組みです。
仕入れと廃棄を連動させる運用の工夫は、食品ロスの削減と産廃コストの低減を同時に実現します。小さな積み重ねが、生ごみの総量の着実な減少につながっていくでしょう。
一般的に産業廃棄物の処理費用は重量をもとに算定されるため、生ごみの重量を減らすことが、そのままダイレクトにコスト削減へとつながります。
飲食店から出るごみの重量は大半は生ごみで、生ごみの重量の多くは水分。調理くずや食べ残しを廃棄する前にしっかりと水切りを行うだけでも、ごみの重量を一定程度抑えることが可能になります。
飲食店やコンビニをはじめ、給食センター、介護施設など、日々大量の生ごみが発生する現場で導入が広がっているのが業務用生ごみ処理機。スタッフによる水切りや分別といった手作業の対策には限界がありますが、業務用生ごみ処理機を導入すれば、継続的かつ安定的に生ごみの減量を実現できるようになります。
業務用生ごみ処理機とは、生ごみを乾燥させたり微生物によって分解したりすることで、その重量と体積を大幅に減少させる設備のこと。産廃コストは基本的に重量ベースで算定されるため、業務用生ごみ処理機で排出量を削減すれば、そまま処理費用のカットに直結します。機種によっては、処理を通じて生ごみをほぼ消滅させられるタイプもあります。
生ごみの排出量が継続的に減少すれば、これまで週に複数回必要だった回収回数を減らせる可能性があります。回収頻度は産廃費用の総額を左右する大きな要素なので、処理機の導入によって生まれた「ごみの減少」という明確な実績を処理業者へ示せば、より有利な条件での契約再交渉に繋げられるでしょう。
生ごみは時間の経過とともに腐敗が進むため、店舗にとっては厄介な悪臭や害虫の発生源となります。その点、業務用生ごみ処理機があれば発生した生ごみをその場で速やかに処理できるため、保管中の臭いや衛生リスクを抑えることができます。
クリーンな厨房環境の維持は、お客様や近隣住民からのクレーム防止、従業員の働きやすさ向上などにつながるでしょう。
業務用生ごみ処理機の有効性を理解しつつも、初期費用の問題で導入に足踏みしている飲食店もあるでしょう。
しかし2026年現在、事業系ごみの減量やリサイクル推進を目的として、多くの市区町村が購入費用の3分の1から半額程度を補助する制度を実施。公募の条件や上限額は自治体ごとに異なるものの、これら公的支援をうまく活用すれば、導入にかかるコスト負担を大幅に抑えることが可能です。
産廃処理費用の値上げは社会構造的な要因に起因しているため、今後もこの上昇傾向は続く可能性が高いといえます。業者との価格交渉や乗り換えといった目先の対応を進めることも大切ですが、長期的にはごみの排出量そのものを減らす根本的なアプローチも検討すべきでしょう。
なかでも業務用生ごみ処理機の導入は、確実なコスト削減に加えて、厨房の衛生改善や回収頻度の減便交渉など、複数のメリットを同時に享受できる極めて有効な手段。自治体の補助金制度なども賢く活用しながら、自店の規模や排出量に合った機種を比較検討してみてはいかがでしょうか。
消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」
| 生ごみ減容率 | 99.9% |
| 生ごみの処理後の形態 | 水と炭酸ガスに分解 |
| メンテナンス頻度 | 特殊なメンテナンス必要なし |
| メンテナンス内容 | ー |
| 販売年数 | 25年(1997年~) |
堆肥型「バイオクリーン」
| 生ごみ減容率 | 記載なし |
| 生ごみの処理後の形態 | 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解 残りの一部が堆肥になる |
| メンテナンス頻度 | 定期点検あり・要問合せ |
| メンテナンス内容 | 要問合せ |
| 販売年数 | 17年(2004年~) |
乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」
| 生ごみ減容率 | 記載なし |
| 生ごみの処理後の形態 | 処理品 |
| メンテナンス頻度 | 訪問定期点検・年1回 |
| メンテナンス内容 | 要問合せ |
| 販売年数 | 記載なし |
Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。
※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。