毎日の給食で発生する生ごみは、とくに夏場は悪臭やコバエの原因になりやすく、免疫力が未熟な子どもたちが過ごす保育園や幼稚園では、大きな衛生リスクとなります。
また、水分を含んだ重いごみ袋を運ぶ作業は、ただでさえ多忙な保育士や調理スタッフの身体を圧迫し、本来の保育業務に支障をきたす原因にもなりかねません。
こちらでは、保育園や幼稚園に業務用生ごみ処理機を導入するメリットや導入前の注意点、選び方を詳しく解説します。費用を抑える助成金の活用方法や実際の導入事例も紹介しているため、衛生環境の改善や食育の導入を検討している方は、ぜひご覧ください。
生ごみは時間が経つほど腐敗が進み、悪臭やコバエの温床となるため、子どもたちの健康を守るうえで大きな不安要素になりやすいです。
生ごみ処理機を活用すれば、給食後その日のうちに処理ができ、ごみを長期間溜め置く状況を防げます。結果として、園内の不快な臭いや害虫の発生を根本から抑え、清潔で安全な保育環境を維持しやすくなります。
ごみ捨ての際、大量の生ごみをポリ袋にまとめて保管し、収集日に集積所まで運び出すという重労働が発生します。これはスタッフの腰痛などを引き起こし、労働環境を悪化させる一因です。
処理機を導入することで、その場で水分を飛ばして減容したり、水と一緒に下水へ排出したりできるため、ごみ出しにかかる労力を大幅に減らすことができます。
無駄な作業を省くことで、スタッフが本来の保育や安全管理、調理業務に専念できる環境づくりにつながります。
堆肥ができあがるタイプの処理機を導入すれば、調理くずや食べ残しから作った堆肥を、園庭の花壇やプランター菜園などに活用できます。
「自分たちが残したものが土に還り、新しい野菜を育てる栄養になる」という命の循環を身近で体験できる点は、環境問題を学ぶSDGsや食育の教材として非常に有益です。
保護者に対しても、独自の教育方針を持つ園としての魅力的なアピールポイントになるでしょう。
業務用生ごみ処理機は処理能力が高い分、本体の初期費用が高額になりがちです。また、稼働させるための電気代やバイオ材(菌床)の定期的な交換費用などのランニングコストも発生します。
ただし、生ごみの収集運搬費やごみ袋代といった既存の廃棄コストを削減できるケースも多く存在します。
単なる金銭的コストだけでなく、スタッフの離職防止や労働環境の改善といった見えない価値も含めて比較検討することが重要です。
処理機の機種や方式によっては、大きな骨(豚骨や牛骨など)や貝殻、プラスチックなどの無機物を分解できず、無理に入れると故障や異臭の原因になることがあります。投入基準は機種ごとに異なるため、給食室で活用する際は、調理スタッフ間で事前の分別ルールをしっかりと共有し、業務の妨げにならない運用フローを構築しておくことが大切です。
まずは園児数や毎日の給食提供量に見合った「1日あたりの処理可能量」を確認します。生ごみの排出量は普段の献立だけでなく、イベントや行事のある時期によっても変動するため、一定期間の実測データを元に、少し余裕を持たせた処理能力の機種を選ぶのが一般的です。
ほかの保育園でどのような規模の施設がどの程度の処理機を導入しているか、事例を調べて参考にすると失敗を防げるでしょう。
処理方式には、大きく分けて「バイオ式(堆肥型)」「乾燥式」「消滅型」などがあります。
園庭で堆肥を野菜づくりに使いたいなど食育を重視する場合はバイオ式、手軽にごみの量と臭いを減らしたい場合は乾燥式が適しています。一方、分解したものを水と一緒に下水道へ排出する消滅型は、残渣(処理後のごみ)を取り出す手間が一切かからないため、スタッフの労働負担を軽減したい施設に向いています。
また、消滅型の中には液肥にするか、水にするか都度、切替ができるものがあります。園が抱える一番の課題に合わせて最適な方式を選びましょう。
業務用生ごみ処理機の購入費負担を減らすため、事業者向けに独自の補助金・助成金制度を設けている自治体も少なくありません。補助率や上限額は自治体ごとに異なり、購入・設置費用の2分の1〜3分の2程度、上限で100万〜200万円ほどの補助が出るケースも見られます。対象条件や申請期間は自治体によって異なるため、導入を検討する際は詳細をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
実際に業務用生ごみ処理機を導入した保育園では、「生ごみをその場で処理できるようになり、ごみ出しの重労働から解放された」「できあがった堆肥を使って園児と野菜作りを楽しみ、給食の食べ残しが減った」といった前向きな変化が報告されています。他園の取り組みを参考にすることで、自園の課題解決に向けた具体的な活用イメージが湧きやすくなるでしょう。
保育園の生ごみ処理は、悪臭やコバエといった衛生管理上の課題だけでなく、保育士や調理スタッフの離職にもつながりかねない身体的な負担を生み出す問題です。
業務用生ごみ処理機を導入すれば、こうした現場の課題を解決しながら、堆肥づくりを通じた食育という新たな価値を生み出すことも可能です。園の規模や目的に合った処理方式を選び、必要に応じて助成金制度も活用しながら検討を進めてみてください。
以下のページでは、保育園にも適したおすすめの業務用生ごみ処理機を紹介していますので、あわせてご覧ください。
消滅型「ゴミサー/ゴミサポーター」
| 生ごみ減容率 | 99.9% |
| 生ごみの処理後の形態 | 水と炭酸ガスに分解 |
| メンテナンス頻度 | 特殊なメンテナンス必要なし |
| メンテナンス内容 | ー |
| 販売年数 | 25年(1997年~) |
堆肥型「バイオクリーン」
| 生ごみ減容率 | 記載なし |
| 生ごみの処理後の形態 | 約85%が水蒸気や炭酸ガスに分解 残りの一部が堆肥になる |
| メンテナンス頻度 | 定期点検あり・要問合せ |
| メンテナンス内容 | 要問合せ |
| 販売年数 | 17年(2004年~) |
乾燥式
「業務用(電気)
乾燥式生ごみ処理機」
| 生ごみ減容率 | 記載なし |
| 生ごみの処理後の形態 | 処理品 |
| メンテナンス頻度 | 訪問定期点検・年1回 |
| メンテナンス内容 | 要問合せ |
| 販売年数 | 記載なし |
Googleで「業務用生ごみ処理機」と検索して上位表示されたうち、100キログラムの処理能力を持つ機械の取り扱いがあるメーカー18社をピックアップ。
なかでも販売年数の高い会社(公式HPに販売年数を明記しているうち)の生ごみ処理機を、方式ごとに1社ずつ「おすすめの機種」として掲載しています。
※乾燥式のみ販売年数の明記のあるメーカーがなかったため、Google検索で上位かつ会社の創業年数が高い会社を選定しました。
※情報は2021年5月時点のものです。